【特車】特殊車両通行許可の罰則・罰金等について
「特車許可は取ったし、うちは大丈夫!」……本当にそう言い切れますか? 実は、特殊車両通行許可(特車)の世界は、許可を取るまでが「第一関門」、取った後の運用が「第二関門」です。
「うっかりルートを外れた」「許可証を事務所に忘れた」 そんな些細なミスが、実は結構な額の罰金に直結します。今回は、特車のプロである私が、道路法に基づく罰則を条文セットで解説します。
1. 許可なし・ルート無視は「100万円以下」の直球パンチ
一番重いのがこれです。
- 許可を取らずに一般的制限値を超える車両を走らせた
- 許可は取ったが、指定されたルート以外の道を通った
これは道路法第47条第2項の違反となり、罰則は「100万円以下の罰金」。これが上限です。
【根拠条文:道路法 第104条】 第47条第2項の規定(車両の制限)に違反して車両を通行させた者は、100万円以下の罰金に処する。
「少し近道しただけ」「一回きりだから」という言い訳は通用しません。100万円あれば、事務所のパソコンを最新型に買い替えてもお釣りが来ます。安易な愚行が破滅を招きます。
2. 道路管理者の命令を無視すると「50万円以下」
道路をパトロールしている黄色い車(道路管理者)から、「止まりなさい」「荷物を減らしなさい」という命令が出た場合。これを無視したり、計量を拒否したりすると、50万円以下の罰金が待っています。
【根拠条文:道路法 第105条】 (中略)第47条の14第1項の規定による道路管理者の命令に違反したときは、その違反行為をした者は、50万円以下の罰金に処する。
命令されているのにそれを無視するのはもはや蛮勇の類。あまりに悪質な場合は警察に告発される可能性もありますので、絶対に命令は無視しないこと。
3. 許可証を忘れるだけで「10万円以下」
「許可は取った。ルートも守ってる。でも、許可証(の写し)を車に積むのを忘れた!」 これだけで、10万円以下の罰金です。
【根拠条文:道路法 第108条】 第47条の2第6項(許可証の携帯・提示義務)の規定に違反して、許可証を携帯せず、又は提示しなかつた者は、10万円以下の罰金に処する。
許可証は「お守り」ではありません。車に備え付けていなければ、その通行は「無許可」と同じ扱いをされかねません。現場のドライバーさんへの徹底が、会社の10万円を守る鍵になります。
なお、2019年4月1日より許可証をタブレットで携帯することが認められています。
通行経路が多い場合や、特車ゴールドの許可の場合等には、許可証の分量が膨大となり、
多くの保管場所をとられていましたが、タブレットに許可証を格納しておくことで、こうした煩わしさから解放されるので、ぜひご活用ください。
4. 会社を逃がさない「両罰規定」
「ドライバーが勝手にやったことで、会社は関係ない」 残念ながら、道路法はその言い訳を許してくれません。
【根拠条文:道路法 第107条(両罰規定)】 法人の代表者又は法人……の従業者が、その法人の業務に関し……違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人に対しても、各本条の罰金刑を科する。
運転者が罰金を食らえば、会社にも同額の罰金がくる可能性があります。100万円+100万円で合計200万円……。これが過積載や特車違反の「リアルなコスト」です。
まとめ:法的リスクをゼロにする「正しい申請」を
道路法の罰則を並べてみると、改めて「特車申請」がいかに経営を守るための盾であるかがわかります。
- 無許可・ルート違反:100万円(第104条)
- 命令無視:50万円(第105条)
- 許可証忘れ:10万円(第108条)
- 会社も連座:第107条
安心安全に運行させるために法令遵守で。
ドライバーさんへや荷主への理解も必須です。
