制限外積載許可とは?特車申請との違いも合わせて解説します
「特車の許可は取った! これでどんなに長い荷物も運べる!」
……と、意気揚々と出発しようとしているドライバーさん、ちょっと待ってください。
その荷物、「車体からはみ出して」いませんか?
もし車体からはみ出しているなら、特車許可(道路法)とは別に、「制限外積載許可(道路交通法)」が必要かもしれません。
「えっ、また別の許可? 縦割り行政勘弁してよ……」と実に面倒に思ってしまうかもですが、今回はこの2つの違いと手続きの流れを、どこよりも分かりやすく解説しますので、お悩みの方はしばしお付き合いください。
1. そもそも何が違う?「道路法」vs「道路交通法」
特車と制限外積載、この2つは「根拠となる法律」と「守る目的」が全く違います。
| 比較項目 | 特殊車両通行許可(特車) | 制限外積載許可 |
| 根拠法令 | 道路法 第47条の2 | 道路交通法 第57条第3項 |
| 守る対象 | 道路そのもの(橋や路面) | 交通の安全(周りの車や歩行者) |
| 申請先 | 道路管理者(国交省、自治体など) | 出発地を管轄する警察署長 |
| 着目点 | 車両の総重量や、全体の大きさ | 荷物が車体からどれだけはみ出すか |
ざっくり言うと、「道路を壊さないための許可(特車)」と、「周りの車にぶつけないための許可(制限外積載)」という違いです。
一見似てるようで、その目的は大きく異なるのです。
2. 制限外積載許可が必要な「基準」とは?
「どれくらいはみ出したらアウトなの?」という点ですが、2026年現在の一般的な制限は以下の通りです。
- 長さ: 車体の長さの1.2倍(120%)まで
- 幅: 車体の幅の1.2倍(120%)まで
- 前後のはみ出し: 車体の長さの10分の1(10%)まで
- 左右のはみ出し: 車体の幅の10分の1(10%)まで
- 高さ: 地上から3.8メートルまで(※車種による)
これらを1cmでも超える「分割できない荷物」を運ぶなら、許可が必要です。

「ちょっとくらい、はみ出してもバレないでしょ」という甘い考えは、とても危険。警察官の目は節穴ではありません。
違反した場合は、道路交通法違反として反則金が課され、違反点数も加算され、さらには運送事業者に対する行政指導・監査などが実施されます。
3. 手続きの流れと「嬉しいポイント」
制限外積載許可の手続きは、特車申請に比べると少しだけマイルドです。
① 申請先
「出発地」を管轄する警察署の交通窓口です。
もっとも、最近は「e-Gov」によるオンライン申請もできるようになりましたので、多少は楽です。

② 必要書類
- 申請書(窓口なら2部)
- 運行経路図
- 積載物等に関する資料(これが重要! 車体からどれだけはみ出すか図解したもの)
- 車検証・運転免許証の写しなど(提出ではなく提示になります)
※積載物等に関する資料は、内容によって違いがあります。
詳しくは以下。
制限外積載許可の場合:貨物を積載した状態で、車体から貨物がはみ出す寸法を記載した図
設備外積載許可の場合:貨物を積載する場所及び貨物の形状、寸法を記載した図
荷台乗車許可の場合:荷台に人員を乗車させる状況を記載した図、やむを得ず荷台に人員を乗車させることを疎明する資料等
なお、管轄の警察署によって若干必要書類に違いが生じますのでご注意ください。
③ 手数料
特車は1経路につき200円の手数料が発生しますが、制限外積載許可は無料です。
④許可はいつ取れるの?
申請から約1週間です。
⑤ 許可の期間
原則は「1回の運航」につき1回ですが、ルートや車両、荷物が同じなら最長1年間の包括許可も取れます。
⑥許可証の取り扱い
制限外積載許可がおり、当該車両を運行させる場合は、許可証を携帯しておく必要があります。
つまり、特車許可を取る場合、特車の許可証と合わせて制限外積載許可証を携帯しておく必要があるということです。
⑦許可の条件
特車同様、許可に条件が付されることがあります。付される条件が以下(道路法施行令第24条)。
・貨物の見やすい箇所に、昼間にあつては〇・三メートル平方以上の大きさの赤色の布を、夜間にあつては赤色の灯火又は反射器をつけること
・車両の前面の見やすい箇所に許可証を掲示すること
・その他、道路における危険を防止するため必要と認める事項
4. 最大の罠:特車と制限外積載「両方」必要なケース
これが一番怖い。
「特車を取ったから警察の許可はいらない」
「警察の許可を取ったから特車はいらない」
どちらも間違いです。
例えば、大型トレーラーに超長いポールを積んだ場合……
- 車両の総重量や長さが一般的制限値を超えている → 特車申請(道路法)
- 荷物がトレーラーの後ろからはみ出している → 制限外積載許可(道交法)
このように、「ダブルで許可が必要」になるケースが多々あります。
片方だけで走っていると、道路法違反(罰金最大100万円)か、道路交通法違反(点数と反則金)のどちらかの餌食になります。まさに泣きっ面に蜂。これに行政指導まで加わったら、会社の信用が揺らぎます。
必ず運行前に、特車、そして制限外積載許可が必要か確認
まとめ:迷ったらプロに「丸投げ」が一番
「特車だけでいいの?」「警察にも行くべき?」「図面なんて書けない!」
そう思ったら、ぜひ一度当事務所にご相談ください。
特車申請&制限外積載許可の同時申請も承ります。
