【過積載の罰則・罰金・処分】ドライバー、事業者、荷主別に解説
「過積載? まあ、バレなきゃ大丈夫でしょ。みんなやってるし」
もしそんな風に思っている運送会社さんや荷主さんがいたら、全力で肩を揺さぶって止めたい。
なぜなら、過積載がバレた時のダメージは、うっかりで済まされるレベルではないからです。 会社の銀行口座からごっそりお金が消え、トラックは動かせず、最悪、事業そのものが終わります。
今回は、特車申請のプロである私が、過積載の「本当の恐ろしさ」と、それを回避するための法令知識を、できるだけ噛み砕いて(たまに本音を漏らしながら)解説します。
1. そもそも、なぜ過積載はダメなのか
道路にとって、過積載は「不意打ちのボディブロー」みたいなものです。
特に「軸重(タイヤ1軸にかかる重さ)」が重要で、道路へのダメージは「軸重の4乗に比例する」という恐ろしい法則があります。
- 軸重が2倍になると、ダメージは 16倍
- 軸重が4倍になると、ダメージは 256倍
もはや嫌がらせのレベルです。これを放置すると橋は落ち、道路はボロボロになります。だからこそ、国は「絶対に許さんぞ」と、複数の法律を使って網を張っているわけです。
2. 運転者だけじゃない!3方向から攻められる罰則の嵐
過積載が発覚すると、「道路交通法」「貨物自動車運送事業法」「道路法」という3つの法律から、一斉にパンチが飛んできます。
① 運転者へのパンチ(道路交通法)
これはイメージしやすい「交通違反」です。超過割合によって、点数と反則金が決まります。
| 超過割合 | 大型車の場合 | 備考 |
| 10割(2倍)以上 | 6点(即・免停) / 10万円以下の罰金 | 刑事罰の対象。前科つきます。 |
| 5割〜10割未満 | 3点 / 反則金 4万円 | 松屋の牛丼なら約100杯分が消えます。 |
「6点」っていうのは、一発で免許停止です。ドライバーさんの仕事がその場でなくなります。
② 運送会社へのパンチ(貨物自動車運送事業法)
ここからが本番です。一番怖いのが「車両停止処分(通称:車止)」。
会社が「ちょっとくらい多めに積んでいけよ」と指示していたり、黙認していたりすると、運輸局からのお叱り(行政処分)が入ります。
以下が罰則の基準です。
| 積載超過割合 | 初回 | 2回目 | 3回目 | 4回目 |
| 5割未満 | 10日×違反車両数 | 30日×違反車両数 | 80日×違反車両数 | 200日×違反車両数 |
| 5割以上 | 20日×違反車両数 | 50日×違反車両数 | 130日×違反車両数 | 330日×違反車両数 |
| 10割以上 | 30日×違反車両数 | 80日×違反車両数 | 200日×違反車両数 | 500日×違反車両数 |
車両停止処分をくらったら、この間、そのトラックはただの「鉄の塊」です。リース代や給料は発生するのに、売上はゼロ。計算しただけで脳機能が停止しそうになりますが、経営へのダメージは数百万、数千万単位になることも珍しくありません。
③ 道路管理者からのパンチ(道路法)
特車申請に関わるのがここ。道路法では、重すぎる車が道路を通ることを制限しています。
特筆すべきは「即時告発」。
極めて悪質な過積載(総重量が基準の2倍超など)の場合、警察を待たずに道路管理者がその場で告発します。
この場合の罰金は、最大100万円(道路法第104条)。
法人重科といって、運転者だけでなく会社にも同じ額の罰金がくる可能性があります。合計200万円。金額的にかなり重たいので、「バレないバレない」などと軽く考えないように。
3. 実は「荷主」も逃げられない
「うちは運送屋さんに頼んでるだけだから関係ないよ」と余裕をぶっこいている荷主さん。残念ながら、その時代は終わりました。
法令遵守の目は荷主にも向けられています。
荷主等は、運転者に対して過積載となることを知りながら、
引き渡したりしてはいけません(道路交通法第58条の5第1項)。
これに違反した荷主が、反復して過積載の要求をする恐れがあると認められるときは、警察署長から過積載の「再発防止命令」(道路交通法第58条の5第2項)が出されます。
「そんなん知らん!俺荷主だし!」と開き直って再発防止命令に違反すると、6カ月以下の懲役又は10万円以下の罰金が科せられます。
さらに、違反事業者に対して、貨物自動車運送事業法第33条の規定による過積載違反の行政処分を行なう場合、荷主に対しても過積載運行の再発防止等のための協力要請書を発出します。
もはや、過積載は「みんなで渡れば怖くない」ではなく、「みんなで渡れば全員で沈む」泥船なのです。
運転手、事業主、荷主、皆等しく法令遵守をしないとあっという間に沈没です。
4. なぜ「特車申請」が最強の防衛策なのか
「じゃあ、重いものは運べないのか?」というと、そんなことはありません。
そのためにあるのが、私たちが専門としている「特殊車両通行許可(特車申請)」です。
「この車両は少し重いけど、このルートを、この条件で通ります」と事前に申請して許可を得る。これだけで、多くの法的リスクを回避できます。
もちろん、申請には細かい計算が必要です。
軸重、輪重、隣接軸重……。数字嫌いの私からすれば、数式を見ただけで脳の90%が活動停止しそうになりますが、そこはプロである行政書士の出番。皆さんの代わりに、延々と数字と格闘して、クリーンな運行体制を作り上げます。
おわりに:目先の利益か、長期の安全か
過積載で少しだけ利益を上乗せしても、一度バレて数百万円の罰金や車両停止を食らえば、それまでの努力はすべて水の泡。
「特車申請、面倒くさそうだな」「うちの荷物、大丈夫かな?」と不安になったら、ぜひ一度ご相談ください。
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【参考にした資料】
・過積載は荷主にも罰則が適用されます 国土交通省
