キャリアカー(車両運搬車)の特車申請実務
街中でよく見かける、新車や中古車を何台も載せて走る「キャリアカー(車両運搬車)」。
このキャリアカーの特車申請はやや面倒です。
なぜなら、載せる車(軽自動車なのか、ミニバンなのか)によって、全体の長さや高さがグニャグニャ変わるからです。
今回は、キャリアカーの特車申請を自社でやろうとしてドツボにハマる前に、実務で絶対に押さえておくべきポイントを解説します。
1. 品名は必ず「商品自動車」を選択する
オンライン申請の画面で、運ぶ荷物の「品名」を入力する欄があります。
ここで適当に「自動車」とか「普通車」などと手入力をすると、お上(道路管理者)から「修正してください」とソッコーで差し戻しを喰らいます。
キャリアカーで運ぶ車は、法律上(特車申請上)は「商品自動車」という固有名詞で扱われます。システム上の選択肢から必ず「商品自動車」を選んでください。
2. 「積載状態」と「空車状態」2種類の荷姿図が必要
特車申請では、車両に荷物を載せた状態の図面(荷姿図)を添付しますが、キャリアカーの場合は「車を載せている状態」と「カラッポの状態(空車)」の両方の図面が必要になります。
キャリアカーは、2階部分のフロアを昇降させたり、荷台の後ろをスライドさせたりできる特殊な構造をしています。そのため、「荷物を載せているとき」と「載せていないとき」で、車両の寸法や形がガラリと変わってしまうのです。
お上に「どっちの状態でも安全に走れますよ」と証明するために、必ず2パターンの荷姿図を用意しましょう。
荷姿図の作成方法
荷姿図は手書きでも構いませんが、長さ、幅、高さ等の寸法が記載されていることが必須です。
手書きよりも、車両のメーカーから外観三面図を取り寄せるのが一番楽です。
3. 全長17m超〜18m以下の生命線:「リアオーバーハング」の入力
キャリアカーの実務で最も多くの人が頭を抱えるのが、長さの入力です。
載せる車が後ろ側にはみ出すことで、「はみ出しを含めた全長が17mを超え18m以下」になる場合、システム上で「リアオーバーハング」の寸法入力が必須になります。
- リアオーバーハングとは: トレーラーの後輪車軸の中心(旋回中心)から、後ろにはみ出した積載車両の「一番後ろの端」までの長さのことです。
- 空欄は一発エラー: ここを空欄のまま申請ボタンを押すと、システムエラーではじかれます。荷姿図からミリ単位で正確に数値を割り出して入力する必要があります。
- なお、運搬の都度、はみ出し長さが変わる場合には、最大のはみ出し長さを入力してください。
【行政書士からの警告】
はみ出しを含めた全長が18mを超えてしまうと、自動算定ではなく悪夢の「個別審査」に突入します。許可が出るまでに数ヶ月間、時間が溶けることになり、実務上非常に厄介です。なんとか18m以下に収まるよう、積載方法を工夫するのが実務のテクニックです。
4. プロが教えるもう一つの罠:「高さ」の計算は一番デカい車で!
キャリアカーは2段積み(あるいは1.5段積み)が基本ですが、ここで恐ろしいのが「高さ」の制限です。
道路法上の高さの一般的制限値は3.8m(高さ指定道路なら4.1m)ですが、2階部分に流行りのSUVや背の高いミニバンを載せると、一発でこの基準をオーバーします。
特車申請を出す際は、「今後運ぶ可能性が一番高い、一番背の低い車」ではなく、「一番背が高くてヤバそうな車」を上に載せた状態を想定して、余裕を持った高さで申請を出しておくのが、後から違反で捕まらないための鉄則です。
まとめ:キャリアカーの申請は「プロへの丸投げ」が一番タイパが良い
- 品名は「商品自動車」
- 荷姿図は「積載・空車」の2種類
- 17m超は「リアオーバーハング」の計算必須
ただでさえ配車ルートの確保で忙しい運送会社の担当者様が、これらの細かい寸法やはみ出し長を電卓でパチパチ計算していたら、それだけで1日が終わってしまいます。
「キャリアカーの特車、計算がややこしすぎて頭がバグりそう……」と思ったら、迷わず当事務所にお任せください。
私も行政書士ではなかったら、こんな面倒な申請をやらされるのはまっぴらごめんです。
面倒な手続きは行政書士に丸投げして、皆様は安心して次の陸送案件を受注してください。
