特車申請で重要となってくる道路の種類について
当事務所は原則、特殊車両通行許可のオンライン申請のみを受け付けていますが、通行経路によってはオンライン申請ができない道路もあります。
本記事では、特車申請の際に重要となってくる道路の種類について解説します。
道路の種類
道路の種類は道路法第3条に明示されています。それが以下。
一 高速自動車国道
二 一般国道
三 都道府県道
四 市町村道
特車申請をする際には、概ね上記の4つの道路を通行することになります。
一般国道
一般国道は国が管理している道路になります。
そしてさらに、一般国道は、直轄国道と補助国道に分かれます。
①直轄国道(指定区間)
直轄国道は国土交通省が管理している国の道路です。特車オンライン申請をする場合、経路に直轄国道が含まれていれば、オンライン申請が可能となります。
②補助国道(指定区間外)
補助国道は、国道と名がついていても道路管理者は都道府県となります。
したがって経路が補助国道のみの場合、国土交通省の特車オンライン申請は行えず、各都道府県に窓口申請をしなければいけません。
国土交通省の特車オンライン申請のシステムは、通行経路内に直轄国道が含まれていないと使えません。
高速自動車国道
高速自動車国道の道路管理者は国土交通省となってはいますが、しかし実際ほとんどの区間において高速国道は各高速道路会社が管理運営しています。
以下高速道路会社の一例。
・東日本高速道路(NEXCO東日本)
・中日本高速道路(NEXCO中日本)
・西日本高速道路(NEXCO西日本)
・首都高速道路株式会社
・阪神高速道路株式会社
・本州四国連絡高速道路株式会社
したがって特車申請をする場合は、各高速道路の事業者に申請することになります。
都道府県道
都道府県道はその名の通り、都道府県知事が認定し、都道府県が管理している道路です。
都道府県道を通行する場合、経路に直轄国道が含まれていないとオンライン申請ができず、都道府県に窓口申請をしなければいけません。
申請先は神奈川県だと、各土木事務所の許認可指導課になります。
申請書類や手数料などはオンライン申請と同一ですが、神奈川県だと道路管理者の求めに応じてWEB面談が必要な場合があります。
市町村道
市町村道の道路管理者は市町村になるので、通行経路に直轄国道が含まれていない場合、特車申請は市町村に窓口申請することになります。
私の事務所がある相模原市では、自治体申請システムに対応してるため、自治体申請システムでオンライン申請が行えます。
道路法適用外道路
一般国道、高層自動車国道、都道府県道、市町村道は、道路法第3条にて指定された道路です。
道路法適用外道路とは、文字通り、道路法が適用されない道路です。
例えば以下のような道路が、道路法適用外道路になります。
・湾岸道路(湾岸事務所が管理)
・空港道路(空港が管理)
・農道(農林水産省が管理)
・林道(農林水産省、または各市町村が管理)
・私道(土地の所有者が管理)
特殊車両通行許可制度は、道路法第3条の道路を通行することを想定しています。
これだけ聞けば、「だったら道路法適用外道路は、特車許可制度の埒外だから、別に申請しなくてもいいんだよね?」と早合点してしまうかもですが、これは間違いです。
特車の申請経路に、道路法適用外道路が含まれている場合、通常の特車許可を取った上で、道路法適用外道路の管理者に、確認または許可を得ないと、その道路を通行してはいけません。
大型車両誘導区間
大型車両誘導区間とは、道路老朽化対策として、大型車両を望ましい経路へ誘導するための区間です。
高速道路や直轄国道は、都心部の区間やバイパス整備後の直轄国道の区間等を除いて、原則全線大型車誘導区間として指定されており、主要港湾・空港・鉄道貨物駅を結ぶ地方管理道路等も大型車誘導区間として指定されています。
詳しくは当事務所の以下記事を参照。

重さ指定道路
総重量の一般的制限値は20tとなっていますが、車両の長さ及び軸距に応じて最大25tとする道路のことを重さ指定道路といいます。
基準は次の通り。
【総重量】
・20トン (最遠軸距が5.5メートル未満)
・22トン (最遠軸距が5.5メートル以上7メートル未満で、貨物が積載されていない状態で長さが9メートル以上の場合。9メートル未満は20トン)
・25トン (最遠軸距が7メートル以上で、貨物が積載されていない状態で長さが11メートル以上の場合。9メートル未満20トン、9メートル~11メートルは22トン)
重さ指定道路では、以下のような標識があります。

高さ指定道路
一般的制限値では高さは3.8mですが、道路管理者が交通等に支障がないと認めた道路が、高さ指定道路です。
高さ指定道路の高さは4.1mとなっています。
標識は以下。

なお、重さ指定道路・高さ指定道路の状況は以下で確認できます。
おわりに
特車のオンライン申請は国土交通省のシステムのため、経路に国道が含まれていないとオンライン申請はできず、各道路管理者への申請が必要となります。
特車オンライン申請をする際には、運行計画を踏まえた上で、国道を含んだ経路を作成するようにしてください。
